この記事でわかること
消費税の課税事業者が「簡易課税制度」を使うための届出書の提出期限と、やめるときの決まりを、国税庁の案内をもとに説明します。個人事業者は前の年の12月31日までに出す必要があり、年末の忙しい時期に重なるため、早めの判断が必要です。
簡易課税制度とは
簡易課税制度は、中小事業者の事務の負担を軽くするための制度です。仕入れや経費にかかった消費税を実際の金額で計算する代わりに、売上げにかかる消費税額に、業種ごとの「みなし仕入率」をかけて計算します。使えるのは、基準期間(個人事業者は前々年)の課税売上高が5,000万円以下の課税期間です。
| 事業区分 | みなし仕入率 |
|---|---|
| 第1種事業(卸売業) | 90% |
| 第2種事業(小売業など) | 80% |
| 第3種事業(建設業・製造業など) | 70% |
| 第4種事業(ほかに当たらない事業) | 60% |
| 第5種事業(運輸通信業・金融業及び保険業・サービス業(飲食店業を除く)) | 50% |
| 第6種事業(不動産業) | 40% |
届出の期限:使いたい年の前の日まで
簡易課税制度を使いたい事業者は、その課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に出します。個人事業者の課税期間は1月1日から12月31日なので、2027年分から使いたい場合は2026年12月31日までです。
ただし、次のような例外があります(国税庁の案内による)。
- 免税事業者が、2023年10月1日から2029年9月30日までの日を含む課税期間に適格請求書発行事業者(インボイス)の登録を受けて課税事業者になる場合は、登録を受けた日を含む課税期間中に届出書を出せば、その課税期間から使えます。
- 「2割特例」や「3割特例」を使った事業者が、その翌年から簡易課税に切り替える場合は、翌年分の確定申告期限までに届出書を出せば、翌年から使えます。
やめるときは2年の縛りがある
- 簡易課税をやめるときも、やめたい課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を出します。
- 事業を廃止した場合を除き、簡易課税を使い始めた課税期間の初日から2年を過ぎる日を含む課税期間の初日以後でなければ、不適用届出書を出せません。少なくとも2年は続けることになるので、実際の経費の多さなどを比べて選んでください。
注意点
- 12月31日は年末年始で、税務署の窓口は12月29日から1月3日まで開いていません。届出書は余裕をもって準備してください。
- どちらが有利かは、事業の内容や経費の状況によって変わります。このサイトは一般的な決まりの紹介で、個別の判断はしません。迷う場合は税務署や専門家に相談してください。
- 2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の譲渡の消費税率が引き下げられ、簡易課税の計算方法に特例が設けられます。飲食料品を扱う人は、国税庁の案内も確認してください。
根拠
- 国税庁 No.6505 簡易課税制度
- 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」(税務署の受付時間と、年末年始の閉庁)